本サマースクールの目標は、環境問題を背景に現代社会と経済の成り立ちや構造を理解した上で、個人としてどう自然と向き合っていくのか、これからの社会では人と自然はどう関わり合うべきかを再想像し、実践していくための土台作りです。
人文科学や社会科学の知見、そして身体的・内面的な気付きをもとに、自然環境との関わりを考え直していきます。人間の社会また経済活動が自然環境にどのような影響を与えてきたのかや、その在り方がどのように今の環境問題とつながっているのかを学び、参加者が自分自身をどう位置づけていくかを探求していく4日間の学びです。
学びのスタイルは多様で、ゲスト講師によるレクチャーやリベラルアーツ形式の議論、そして奥深い会津の自然の中での身体的なアクティビティが用意されています。また、気づきを促すための内省のワークを早朝と夕方に設けています。
本プログラムで扱うトピックは以下になります。
1. 気候変動や環境問題の概要と提起される諸問題
2. 近現代という時代の価値観と自然観
3. 資本主義と環境問題の関係
4. 都市の中での人間と自然環境
5. 気候時代の道徳と倫理
本サマースクールの終わりに、参加者に期待される成果は一つではありません。
現在の世界が直面している環境問題、特に気候危機が生み出す状況には、決められた問いも答えもないからです。だからこそ、参加者が自分自身や社会の在り方や価値観を振り返り、同じ志を持つ参加者たちと対話と交流を重ね、そして何より自然とのつながりを通して、自分たちを取り巻く世界を理解しようとしていくことの意味があります。
この過程を通してでしか見えてこない新たな気付き、そこから参加者自身が選び取っていく生き方こそが、参加者に持ち帰っていただきたい学びです。